私たちの研究

がんとフェロトーシス

フェロトーシスとは、酸化ストレスによって脂質の過酸化が蓄積し、誘導される鉄依存性の細胞死メカニズムです。従来の抗がん剤とはまったく異なるメカニズムで起きる細胞死であるため、既存治療に抵抗性を示す腫瘍にも有効な可能性があります。

がん細胞は旺盛な増殖と代謝の過程で、正常細胞に比べて高い酸化ストレスにさらされています。生き延びるために、がん細胞は抗酸化システムを強化し、フェロトーシスから自分自身を守っています。さらに近年、この抗酸化システムの強化が治療抵抗性の獲得にも関与することが示唆されています。

ここで重要なのは、フェロトーシスは単に「活性酸素を増やせば起きる」わけではないという点です。がん細胞はxCT–GSH–GPX4などの複数の経路からなる防御網(抗酸化システム)を持っており、これらを突破する戦略的なアプローチが必要となります。

フェロトーシス制御を標的とするFerroptoCureの開発戦略

FerroptoCureは日本を拠点とし、AMED「創薬エコシステム事業」採択を含む研究基盤のもとで、フェロトーシス創薬の実用化を推進しています。

*1: Okazaki et al., Oncotarget 2018, DOI: 10.18632/oncotarget.26112
*2: Otsuki et al., Cancer Science 2020,  DOI: 10.1111/cas.14224